絞りを開けろ!(開けてください)子供の写真、背景をぼかして雰囲気アップ【絞り優先モードのススメ】
こんにちは。
以前の記事で写真の明るさを決める3つの要素について書きました。
その中で、絞りやシャッタースピードは写真の明るさを調整する以外にも役割があると書きました。
今回は絞りの役割を少し書きつつ、絞りを調整することで背景ボケボケの良い雰囲気の写真(すごく抽象的で申し訳ないですが…)を撮る方法をお伝えします。
以前の記事はこちら。
絞りは光の通り道の幅
以前の記事でもお話をしましたが、絞りは光の通り道を広げたり狭めたりして光の量を調整する役割をしています。
が、光の通り道を広げたり狭めたりすると、光の量が変わると同時にボケ方も変わります!
とりあえず面倒な説明はなしにして、その効果だけを見ていこうかと思います。
(簡単に言えば、フォーカスがあっていない部分の光をどれだけ取り込むかが変わるのでボケ方が変わります。)
絞りとは何か?
そもそも、絞りとは具体的にどういうものかと言うと…
絞り羽根といういくつかの板を組み合わせて作られています。
ちなみに、カメラ本体ではなくてレンズに含まれる機構なので、レンズを交換すると絞りの機構も変わります。
最近のレンズだと7枚もしくは9枚の絞り羽根で作られていることが多いかなと思います。(このレンズは8枚の絞り羽根で作られています)
そして、この絞り羽根を動かして光の通り道を広げたり(絞りを開く)、狭めたり(絞りを絞る)しています。
ちなみに、カメラ本体ではなくてレンズに含まれる機構なので、レンズを交換すると絞り羽の枚数や形状、どれくらい絞りを変化させられるかと言うのが変わります。
(余談開始)
余談ですが、テレビとかで夏の映像で明るい太陽を映したときに、太陽の周りがギザギザ(ウニのように)していたり、太陽から少し離れたところに六角形状のキラキラしたものが写っていたりするのを見ませんか?
このギザギザ(光芒や光条といいます)やキラキラ(ゴーストといいます)は絞り羽の数と形状で決まります。
テレビや映画ではギザギザの本数が6本で、キラキラの形状が六角形です。
これは、テレビ用のレンズの多くが、6枚の絞り羽根を使っているからです。
同じように撮れば、ミラーレスでもこういうのが出てきます。
(余談終了)
ぼかしたいなら絞りを開ける(=数字を小さく)
絞りとボケに関係があると述べましたが、簡単に言えば絞りを大きく開ければよくボケて、反対に絞りを絞ればあまりボケなくなります。
絞りの大きさは、F値(えふち)で表されます。
F値が小さければ小さいほど絞りが大きく開いていてよくボケます。
F値が大きければ絞りが絞られていてあまりボケません。
というわけで、F値を小さく設定すれば大きくぼかせるのです!
記事の中で何度も書いていますが…絞りの機構はレンズによりけりです。
特に、どこまで小さなF値に設定できるか?というのは単焦点レンズとズームレンズで全然違います!
多くのズームレンズだとF3.5くらいまでの数字までしかF値を小さく設定することができませんが、単焦点レンズだとF1.8くらいまで下げることが可能です!
(この約2倍の数字の差は、実は月とスッポンほどの差があります。単焦点レンズを買いましょう!)
単焦点レンズの魅力を書いた記事はこちら
例えば、ビギナーパパママカメラマン(特にママカメラマン)にオススメのパナソニックDC-GF10/GF90ですが、これの「ダブルレンズキット」(ダブルズームレンズキットではない)に付属するズームレンズと単焦点レンズのF値を比べてみると…
・ズームレンズ
LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.(H-FS12032)
・単焦点レンズ
LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.(H-H025)
よくわからない文字列が並んでいると思いますが、大事なところだけ大文字にしています。
ズームレンズはF値が最も小さく設定しようと思ってもF3.5、場合によってはF5.6までしか下げられないよ。と、書いてあるのです。
一方の単焦点レンズの方は、小さく設定しようと思えば、F1.7まで小さくできるよ!と書いてあるのです!全然違う!!!
絞りの大きさをを変える簡単な設定はこれ
では、絞り、すなわちF値をどうやって変えるかと言うと…
オートモードから少しだけ卒業して、「絞り優モード」にしてみてください。
キヤノンだとAvモード、その他のメーカだとAモードが絞り優先モードです。
このモードに切り替えて、カメラについているダイヤルを回してみてください。
カメラの液晶画面の中で、F○の○の部分の数字が大きくなったり小さくなったりするかと思います。
(合わせて他の数字も変化しているかもしれませんが、他の数字についてはカメラが勝手に計算して適切な値に設定してくれているだけなので、一旦無視しておいてください)
ミラーレスカメラであれば、F値を変えると液晶画面のなかでボケがどれだけ変化するかを確認できると思います。
(一眼レフだと、写真を撮ったあとで撮った写真を表示するか、もしくは絞りプレビューボタンを押さないとボケ方を確認することは出来ません。ミラーレス便利)
子供撮影は「絞り優先モード」で「F値を小さく」(ただし、ママをボケボケにしないでね)
というわけで、子供の背景をボカして撮りたいと思ったら、
1.レンズを単焦点レンズに取り替える
2.絞り優先モード(Aモード)に設定
3.ダイヤルを回して、F値を小さく設定
この3ステップでOKです!
というわけで、背景をぼかした写真はすぐに撮れるようになります。
決して難しくはありません。
が、一点だけ注意。
背景をぼかした写真が撮れるようになると、常に背景をボカして撮っちゃいたくなります。
「F値は小さく!」と思ってしまいがちです。
で、何が問題かというと、子供を撮るだけならいいんですが、ママ(もしくはパパ)と子供を一緒に撮るときにF値を小さくしすぎると、子供はきれいに写っているんだけどママがボケボケということが頻発します。
愛しの妻がボケボケとは、とても残念です。
「ママと子供」に限らず、複数人の人を撮るときにはF値はちょっと上げ気味にしないといけないです。
というと、途端に難しいような気がしてきますが…とりあえずF値をちょっとずつ変えて何枚か撮っておけばOKです。(例えば F1.8, F4.0, F8.0とか、適当で大丈夫。ダイヤルグリグリ適当に回してください。)
きっとどれかがいい感じに写っているはずです。あとで良さげな写真だけママに送ってあげてください。